喜神/忌神とは
身強/身弱の判定の後は、いよいよ、運勢を観ていきます。
ここで登場するのが「喜神」「忌神」です。
喜神とは運勢を上げる作用をする五行、
忌神とは運勢を下げる作用をする五行、
をいいます(読みかたはいろいろで、どちらも「きしん」と読めるため、私は「よろこぶかみ」「いむかみ」と読んでいます)。
だから、どの五行が喜神/忌神かを知ることは超重要で、
四柱推命では、身強/身弱、日干とその五行との生剋比で判定します。※
※算命学では(判定方法の異なる)守護神/忌神(しゅごしん/いみがみ)を用います。
前回の講座で「中庸」について簡単に触れましたが、
古代中国の自然哲学では、日干(=自分)についても強弱のバランスがとれている状態(中庸)が望ましいと考えます。
だから、日干が強い=身強の場合は、日干を抑える(おさえる)五行、すなわち、日干が休・囚・死になる五行が、
逆に日干が弱い=身弱の場合は、日干を扶ける(たすける)五行、すなわち、日干が旺・相になる五行が、
喜神になります。忌神はその逆です。
占いのための「陰陽五行」無料講座(第11回)身強/身弱の判定 - THIS IS YOUR LIFE!で挙げた同い年生まれの男性と女性の例で、喜神/忌神を観ていきましょう。
男性(1994年7月5日生)
壬 庚 甲
辰 午 戌
(1点+2点+1点)÷3=1.3点で、月支は旺ではないので、身弱。
なので、喜神は日干を扶ける(日干が旺・相になる)五行で水・金、それ以外の木・火・土は忌神になります。
女性(1994年5月22日生)
戊 己 甲
申 巳 戌
(5点+4点+3点)÷3=4点で身強なので、喜神は日干を抑える(日干が休・囚・死になる)五行の金・水・木、それ以外の土・火は忌神になります。
いかがでしょう、ガンガン生剋比を使いますでしょ?
だから、どの五行と相生/相剋になるのかが瞬時にわからないと判定に時間がかかるし、
逆に、相生/相剋がきちんと頭に入っていれば、命術(四柱推命・算命学)の鑑定は難しくないんです。
喜神/忌神の五行の採りかたについて、まとめます。
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喜神 |
忌神 |
身強 |
休・囚・死 |
旺・相 |
身弱 |
旺・相 |
休・囚・死 |
例外は極身強/極身弱
さて、上で述べた喜神/忌神の五行の採りかたには、例外があります。
すなわち、三つの地支と(日干以外の)二つの天干がすべて日干の旺・相の五行である命式(「極身強」あるいは「極身旺」といいます)、あるいは、すべて日干の休・囚・死の五行である命式(「極身弱」といいます)、の場合です。
たとえば、前回の講座メモで挙げたキムタクの命式です。
戊 辛 壬
申 亥 子
五行にすると・・・
土 金 水
金 水 水
日干以外は金・水で、休・囚の五行のみなので、極身弱。
日干を扶ける(日干が旺・相になる)五行が命式にないんです。
また、極身強の例としては、ナンノ=南野陽子ちゃん(1967/6/23生)です。
スケバン刑事ですね。
はいからさんが通るですね。
モーレツにかわいかったですね!
戊 丙 丁
午 午 未
五行にすると・・・
土 火 火
火 火 土
日干以外は火・土で、旺・相の五行のみで、
日干を抑える(日干が休・囚・死になる)五行が命式にないんです。
つまり、極身強/極身弱の命式は偏りすぎていて、日干の強弱のバランスのとりようがないんです。
だから、そのような宿命は、偏って生きることが宿命づけられていると考えて、
偏りを強める五行を喜神に、その他の五行を忌神に採るんです。
普通の身強/身弱とは、喜神/忌神の五行の採りかたが真逆なんですね。
中庸が望ましいって言ったジャン!とツッコミたくなりますが、
宿命上無理なのだから、代わりに(偏って)欠けているところは周りが補ってくれる、という理屈です。
個人ではバランスを欠いていても、社会でバランスをとれていたらいいわけですから。
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喜神 |
忌神 |
極身強 |
旺・相 |
休・囚・死 |
極身弱 |
休・囚・死 |
旺・相 |
四柱推命では、極身強/極身弱の命式をあわせて「外局」、普通の身強/身弱の命式をあわせて「内局」と言います(あわせて「格局」と言ったりもします)が、
外局と内局とでは、喜神/忌神の五行の採りかたが違うんですね。
だから、身強/身弱の判定では、極身強/極身弱に該当しないかもあわせてチェックしてください。
ただ、極身強/極身弱に該当する例はかなり少なく、
100件のうちせいぜい数件程度で、極身強/極身弱の偏った生きかたを現実にしているかを考えたら、無視してもさして影響はないと思います。
次回は、人生にも四季があるという話をしたいと思います。