まだ54歳だった。
氏の活躍と早すぎる死にはどんな宿命からの力が働いていたのか、算命学で観た。
氏の宿命は次の通り(1969/5/8生)。
癸 己 己 車騎星 天胡星
未 巳 酉 禄存星 牽牛星 龍高星
丁 戊 天庫星 車騎星 天報星
乙 庚
己 丙 辛
71 61 51 41 31 21 11 1
辛 壬 癸 甲 乙 丙 丁 戊
酉 戌 亥 子 丑 寅 卯 辰
◇生年中殺。
◇巳月生まれの癸水で、守護神は辛・壬、忌神は火・土だが、3つある土は調和の忌神でもある。
しかも、2つ透干して天将星の根を持つので、忌神帝旺。ただ、地支が半会で変化するので、意味は弱まる。
◇酉と巳が半会すると、殺印相生格。
◇年干・月干の己=官は、天将星の根で大半会だから、出世運は良く、大きく展開する。
この宿命を、氏はどう生きたのだろうか?
◇生年中殺
相撲界に入ったのは1988年(戊辰、18歳)で、ハワイには戻れないと覚悟していたというから、生年中殺の影響はかなり和らいでいるかもしれない。
◇殺印相生格
同期に若貴兄弟がいるが、「若貴がいたから横綱になれた」と氏も言うように殺印相生格が動いたのだろう、相撲経験もないのに1990年(庚午)には新入幕とスピード出世を果たして、彼らよりも先に横綱になった。
体格には恵まれていたものの、運勢の後押しがあったのは間違いない。
◇忌神帝旺
表の若貴兄弟に対して裏の悪役という立ち位置も合っていたが、それでも、官が上がると日干の運勢は下がる。
結果、ケガに悩まされて2001年1月(庚辰、31歳)に引退。
また、タニマチに結婚を猛反対されて後援会は解散、そのため年寄株を買えずに相撲界には残れなかった。ちなみに、結婚した1998年(戊寅)は妻の干の納音で、最悪のタイミングだった。
2003年(癸未、34歳)は律音。格闘技で新たなスタートを切るも、思うような活躍はできなかった。
そして2017年(丁酉)の天中殺、試合後に救急搬送、記憶障害が残って亡くなるまで長期入院となった。51歳からの大運は大半会なので、病状が一気に悪化したのかもしれない。
氏の人生は、殺印相生格と忌神帝旺の影響で運の波が激しいが、もうひとつ気づくのは、氏の健康運が悪いことだ。
氏の宿命で健康=寿は木だが、地支蔵干に乙が1つあるだけで、周りは、これを刈る金と、火はあるが水がないので、このままだと枯れてしまう。
31歳からの大運は寿が周り、消化して満身創痍の身体で格闘技を続けることができたが、41歳からは干合でとられてしまう。天中殺で長期入院となったのも、それまでのひずみが溜まっていたのだろう。
そして今年、寿が周ったが、もう消化できるだけの体力はなかった。
よきライバルだった貴乃花は、氏の訃報に接して「百折不撓の人生」と評しているが、ケガと闘いながら横綱としてのプライドを捨てずに、最後は優勝して引退した。
氏の冥福をお祈りしたい。