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人生後半の処世術について考えます

占いのための「陰陽五行」無料講座(第12回)身強/身弱の解釈

 

身強/身弱についての誤解

身強/身弱とは、日干(=自分)の気のエネルギーだという話を前回しました。

そうなると、エネルギーが強いほうがいいから「身強は運勢が良い」「身弱は運勢が悪い」と思ってしまいがちですが、

これはまったくの誤解で、身強/身弱と運勢の良し悪しとは関係がありません

身強は気のエネルギーが強い/大きい、だから「気/自我が強い」とは言えますが、だから「運勢が良い」とは言えません。

だって、気/自我が強すぎると、自己主張ばかりで、周りから鬱陶しがられて敬遠されちゃいますもんね。

逆に、身弱は気/自我が弱いから損をするということではなくて、

(損をしないように)よく考えてから動くので、(よく考えずに)力任せで動きがちな身強よりも得をすることはフツーにあります。

 

また、気のエネルギーを体力や根性とイコールと考えて、「身強は体力/根性がある」「身弱は体力/根性がない」と解釈するひともいますが、これもまったくの誤解です。

だって、一流のスポーツ選手、偉業や並外れた成功など大きな仕事をしているひとにも身弱はフツーにいます。

 

身強/身弱とはなにか?

私は、身強/身弱という気のエネルギーを、社会生活で使う人間関係の気のエネルギー(以下「社会生活のエネルギー」といいます)と解釈しています。

断っておきますが、命術(四柱推命・算命学)のテキストには書かれていない、まったくの私見です。なので、信じるか信じないかは、あなた次第です。(笑)

ひとは一人では生きていくことはできない、すなわち、社会生活を営むことは人間の本質でもあります。

そこでは、いろんなひとといろんな関係を結ばざるを得ないから、「気」を使うことになります。

そして、関わるひとが多いほど、自分の主張などを通そうとするほど、消費する社会生活のエネルギーは大きく、

逆に、関わるひとが少ないほど、周りの主張などに流されるほど、消費する社会生活のエネルギーは少なくて済みます。

 

身強/身弱は、宿命に定められています。

だから、身強とは消費「すべき」社会生活のエネルギーの大きいひと、身弱とは消費「すべき」社会生活のエネルギーの小さいひと、と解釈することもできます。

あるいは、身強/身弱は(日干の)地支との旺相休囚死から導かれたので、

地支=地の気を地上の世界として、日干=自分の精神を地上で現実にカタチにする欲求、と解釈することもできます。

すなわち、身強は「現実」的な成果にこだわるひと、身弱は「精神」的な満足にこだわるひと、ということになりますでしょうか。

その結果、身強は考える前に動く、身弱は動く前に考える、という傾向があります。

その他、身強/身弱の宿命の傾向をまとめました(下表)。

なぜそのように解釈できるのか、いろいろ考えてみると勉強になると思います。

身強

身弱

気が強い/自我が強い

気が弱い/自我が弱い

現実的な成果

精神的な満足

考える前に動く

動く前に考える

現実的な苦労に強い

精神的な苦労に強い

情にもろい

利に聡い(さとい)

慌ただしい環境に向く

落ち着いた環境に向く

 

身強/身弱の生きかた

重要なのは、身強/身弱をどう使うかです。

車にたとえるなら、身強は排気量の大きいバスやトラック、身弱は排気量の小さい軽や軽トラです。

前者は、多くのひとや荷物を運ぶことができる一方、買い物など小さい仕事をするのには不便です。

後者は、小回りが利いて燃費が良い一方、引越しなど大きい仕事をするのには不便です。

身強/身弱も同様に得手/不得手があって、

身強は多くのヒト・モノ・カネとかかわる環境、身弱はあまりヒト・モノ・カネとかかわらなくてもいい環境にいるほうが生きやすいでしょう。

仕事でいうなら、身強/身弱は、営業/事務、事業主/公務員、ブルーワーカー/ホワイトワーカー、リーダー/メンバー、政治家/学者・・・といった感じでしょうか。

興味深いのは、身強が引きこもっていたりすると、大病や大ケガをすることがあります。有り余ったエネルギーを、大病や大ケガからの回復というカタチで消化させているのかもしれません。

逆に、身弱が出ずっぱりで休みなく動いていたりすると、突然倒れてしまうこともあります。エネルギーが回復するまで、強制的に休ませているのかもしれません。

 

ご注意いただきたいこと

ただ、身強/身弱の生きかたで注意すべきは、偏るのではなく、バランスをとることです(中庸(ちゅうよう)といいます)。

(身強で)自己主張ばかりだと周囲と軋轢を生みますし、(身弱で)流されてばかりだといいように使われてしまいます。

また、(身強で)動いてばかりだとさすがに疲れてしまいますし、(身弱で)考えてばかりだと動けなくなってしまいます。

身強を陽、身弱を陰とすれば、自分に合った陰陽のバランスを保つことが大切です。

 

また、身強/身弱は、10年ごとや毎年周る干支の気(「後天運」といい、後の回で説明します)の影響も受けます。

たとえば、日干を剋する地支(死)の干支が周ると、身強はバランスをとりやすくなるので(自己主張が強いなど)偏りによる悪い面が出るのを抑えやすくなります。

特に、前回の身強/身弱の判定で3点前後(四捨五入で3点のイメージ)のひとは、身強/身弱の特徴はあまりないように見える一方で、

後天運で旺の干支が周ると身強、死の干支が周ると身弱、の特徴が表に出てくることもあります。

 

身強/身弱をいう分類は、ひとの性格を考えるのに役立つ視点ですよね。

だからといって、今回紹介した命式の判定だけで、身強/身弱と決めつけるのは間違っています。

そもそも人間はそんなに単純に分類できるものではありませんし、

命式だけの解釈よりも、命式をどのように使っているのかを観るほうが重要だからです。

身強/身弱もそうで、身強であっても気の弱いひとはたくさんいます。

そういうひとに、気の強い身強のひとと同じアドバイスをしても意味がないでしょう。

今回の判定方法はあくまで「目安」にすぎないということは、忘れないでいただきたいと思います。