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人生後半の処世術について考えます

市川猿之助氏の一家心中未遂事件(算命学)⑨

つぎに、市川猿之助氏の今後についてですが、先に述べたとおり、現在の大運(55歳まで)は月干支(=自分の身の回りの環境)が午亥暗合双連、日干支(=自分)が天殺地冲なので、虚気と実気の間を行ったり来たりという状況になりやすいといえます。

ここで重要なのは、月干支の虚気と実気を見誤らないことです。週刊誌報道にあった「一門のトップ俳優は“裸の王様”」という状況は、一門=身の回りの環境を見誤っているということに他なりません。見誤らないためには、天殺地冲、すなわち、自分のありかたを省みて悪い部分があれば改めていくことを忘れないことです。周りがチヤホヤしてくれる(=虚気)のは自分に力があるときだけで、自分に力がなくなると、一気に離れていきます(実気)。そのときに戸惑わず絶望せずに立ち上がれるように、自分を強くしていく他ありません。

大運の干・日干・月干・年干を左から右へ並べて、干合で変化する様子を観ると(太字が日干)、56歳からの大運(辛巳)は、辛 丁乙 → 癸①丁乙 → 癸②乙乙 となり、66歳からの大運(庚辰)は、庚 丁乙 → 庚 丁辛 → 癸①丁癸 → 癸②乙癸 となって、雲龍が20年間も続くことになります。

これは、自分を見失いやすい期間がずっと続くと解釈することもできる一方、(自分が強くしっかりしていれば)深く演ずることができる、すなわち、演劇の境地に達することのできる期間だととらえることもできます。どうなるかは、氏の選択、すなわち、今後の生きかた次第です。

大変痛ましい事件でしたが、幸いだったのは、氏が亡くならなかったことです。拾った命を是非とも日本の伝統芸能とご自身の後半生の幸福のために活かしてほしいと思います。

心身ともに逸早い回復と不死鳥のごとき力強い復活を祈念しております。