私は、こう考えます。
どのような人物で、どのような人生を歩むかは、宿命だけではなく、そのひとを取り巻く環境（家族、社会、時代など）、そのひとの能力や努力、そして、そのひとの取ってきた選択などにも大きく影響されます。誕生日と性別が同じひとは、宿命も同じです。なのに、そのひとたちが異なる人生を歩んでいるのは、そのためです。
命術（東洋の占い）では、この世のもの・ことは「気」の作用で成り立っているから、気の法則を知れば未来を推し量ることができる、と考えます。ならば、（宿命以外の）環境、能力や努力、そのときどきの選択なども気の作用なのだから、推し量ることができる、ということにもなりそうです。
しかし、もしそうだとしても、命術でわかるのは誕生日の気の状態から推し量れることに限られます。すなわち、命術でわかるのは、この世のもの・ことの一部にすぎません。科学で複雑な世界をすべて解明できないのと同じです。
命式だけを観て「あなたは〇×という命式だから、必ず成功する」と鑑定する占い師をよく見かけますが、とんでもないことです。宿命から推し量れること以上に、宿命以外の情報（環境、能力や努力、そのときどきの選択など）を知らないと、少なくとも断言なんてできないはずです。
命術（東洋の占い）は、当てものではありません。だから、宿命以外の情報を（許される限り）知ろうと努めることが重要ですし、なにより、命術は「未来を知って安心する」ためのものではなく、「より良い未来のために利用する」ためのものだと思います。
