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人生後半の処世術について考えます

人生の成功には何が必要なのか③

ここからは、『運の方程式』を(科学ではなく)命術(東洋の占い)の視点で読んだ感想です。

どんなに良い宿命=上格のひとでも行動しないと成功できないのは当然ですが、ではその運をつかむにはどう行動すればいいのか・・・この本では、科学の視点からそれを運の方程式というカタチで整理してわかりやすく解説されています。運をつかむには、失敗を恐れず(回復力)いろんなことに挑戦して(多様性)見逃さないこと(察知)。言われてみれば当たり前ですが、怪しい情報があふれているなかで,科学的な証拠のある方法を具体的に示していることにこの本の大きな意義があると思います。

 

そのうえで、難しいのは、運の定義(運とは何か)でしょう。運を「自分の意思や努力ではどうにもできない出来事」と定義するなら、人生の成否のほとんどは運に左右されるのは当然でしょう。なぜなら、机上のものを取るという単純な場合は別にして、ほとんどの目標行動は(自分以外のひとが関わる)社会的なネットワークのなかでなされるからです。

そうなると、努力したってしょうがない、好きなようにやってあとは運任せ、という結論にもなりそうです。この本にも「不確実性に満ちた人生で運をつかむには、明確な目的もないままに世界の探索を続け、予期せぬ偶然が起きるのを待つしかありません」とあります。しかし、これは「努力は不要」ということではなくて、運をつかめるような努力をしろということだと思います。

努力の反対語のようにとらえると、「運か努力か」という誤った思考になってしまいます。そうではなくて、運とは「自分ではコントロールできない力」で、運をつかむには「正しい」努力が必要、ということなのでしょう。