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人生後半の処世術について考えます

人生と宿命-フランクルに学ぶ⑦

そして、命術(東洋の占い)の背後にある自然思想フランクルの人生観と通じるところがあります。

すなわち、命術では「ひとにはそれぞれ持って生まれた宿命があって、その宿命を生きる=消化するのが人生の目的だ」とします。ただ、宿命とはいってもすべてが定められているわけではなくて、選択の幅がある。だから、同じ宿命でも、自分の意思で違った人生=運命を歩むことができる。

他人と比べて自分の才能や環境、運のなさを嘆くのではなく、持って生まれた宿命のなかで、もとめられていること、できることを問うて、自分の運命を創っていくことが幸福な生きかただ。フランクルが人生を中心に生きかたを考えるように、自然思想は宿命を中心に生きかたを考えるのです。

 

さらに、自然思想がユニークなのは、「宿命は生まれたときの気によって推し量ることができ、それを知る術が命術だ」とすることです。もちろん、すべてがクリアにわかるものではありません。また、聞いてもピンとこないひとが多数で、でも、後になって「ああ、そういうことか」と悟るひとも多い、そんな感じです。ただ自分の生きかたの軸を定めるのに、大変参考になります。

また、宿命から人生の転機を推し量ることもできます。もちろん、宿命に対してどう生きたかによって運命は変わってきますから、参考程度です。しかし、大切なことであれば、備えることができます。

そして、これまでに起こった、あるいは、いま起こっている出来事を宿命から読み解くことで、人生におけるその出来事の意味を知ることができます。それによって、納得して安心することができます。

命術は、当てものではありません。「命」というのは、もって生まれたそのひとの使命のことです。命術は、自分の人生の意味を考える術でもあるのです。