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人生後半の処世術について考えます

京アニ事件の犯人②

天涯孤独となった彼は、ついに自暴自棄ともいうべき行動に出ます。2006年、下着を盗んで逮捕されます。「金欠でヤケになった」と動機を語ったそうですが、その後は人材派遣として職を転々とし、2012年、コンビニエンスストアで現金21,000円を奪う強盗事件を起こして再び逮捕されます。

それまでに、月39,000円の家賃を滞納し続け、ガス料金もたびたび滞納、開栓のために未納料金を支払うことを繰り返していたようです。管理人によると、逮捕前の部屋の様子は「壁が二か所ハンマーで壊され、ベランダ側のガラスも割られ、室内は物が散乱し、臭いもひどい・・・PCはめちゃくちゃに破壊されていた」といいます。

懲役3年6か月の実刑判決で、服役中に精神障害と診断され、障害者手帳が交付されます。出所後は、生活保護を受けながら暮らしていましたが、近隣住民と騒音などでたびたびトラブルを起こしていたようです。

 

彼の兄も自殺しているそうですが、五人家族で父親・兄・妹が死を選び、母親は別家庭を持って絶縁状態・・・彼の起こしたことは許されるものではありませんが、背景にはこのような悲惨な家庭環境があったのです。

こんなどうしようもない人間になってしまったのには、こどもの頃に個性を発揮できるような環境にいられなかったことが大きいと思います。その意味では、両親の責任はとても重い。加えて、家族が相次いで自殺したことで、ますます孤立し、恨みは社会へと向けられて、彼のなかで反社会性がどんどん大きくなったのでしょう。