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人生後半の処世術について考えます

宿命の風景②

では、まずは、五行の象意(イメージ)からみていきましょう。

なお、以下に述べることは、典拠資料はなく、おそらく誰の説でもありません。このように理解するとわかりやすいのではという、まったくの私見です。

 

あらゆるもの・ことは五つの気から成り立っていて、それらを代表するものとして木・火・土・金・水があります(五行論)。そして、それぞれの気の性質については「木は曲直、火は炎上、土は稼穡、金は従革、水は潤下」といわれます。

であれば、それぞれの象意は、具体的にどのように解釈すればよいのでしょうか?

人間の性質に当てはめれば、「水=下降=知」「火=上昇=情」で精神面、「木=拡張=自由」「金=収縮=秩序」で現実面、という2つの軸があり、交差するところに「土=中心=生命」があると整理します。

 

水は潤下。水は下へよどみなく流れて潤していきます。論語に「知者は水を楽しむ」(知恵に優れた人は臨機応変に事に当たり巧みに処理する)という故事がありますが、知恵の特徴をよく表していると思います。

火は炎上。火は上へのぼっていきます。「嫉妬の炎」という言い方をするように、ねたみ・怒りなどの激しい感情や欲望で燃えたつ心をたとえられます。

木は曲直。木は曲がったりまっすぐになったりしながら、広がっていきます。その様は自由の象徴のように思います。

金は従革。革は「あらたまる」で、金属は型に従って縮んでいきます。また、伸びた枝や幹は斧で切られることから、自由に対する秩序の象徴と考えました。

土は稼穡。種をまき、収穫すること。下る水の気(雨)と上る火の気(太陽)とが交わるところ、そして、拡張と収縮の中間が生命が生まれる場所=土だとみました。