【講座メモ】五行論の応用 - THIS IS YOUR LIFE!では、五行論の応用として東洋医学や東洋占術があるという話をしましたが、
知人から「だからそうじゃなくて、五行論で考えるとこうなる、みたいな話を聞きたい」という感想をもらいました。
そうですね・・・これも映画「スターウォーズ」で説明してみましょう。
その前に、五行論って、
手順通りに考えればいろんなことが簡単に分析できるよ、というものではないんですよ。
いろいろ考えているなかで「五行論だとうまく整理できるかもしれない」と当てはめてみたらうまくいった、という類のものです。
五行論の構造
五行論でうまく分析できるのは、
ひとつは、分析対象が五つの重要な要素から構成されていて、それらの間に生剋比のような関係が成り立っているような場合。
たとえば、近未来の世界のパワー・バランスを「米国」「米国を除く先進国(OECD)」「中国」「インド」「インドを除く新興国・途上国(グローバル・サウス)」の五つに分けて分析してみるとか・・・。
木火土金水の生剋比と並べてみて、バランスが崩れているところがあれば、そこから問題が起こるかもとアナロジーを効かせることができるかもしれません。
あるいは、木火土金水を、
木と金は形があるもの=現実面の陰陽として横軸に、
火と水は形がないもの=精神面の陰陽として縦軸に、
それらを調和させるものとして土を真ん中に置いて考える
ということを五行論ではよくやりますが、
分析対象がこのような構造をしている場合にも、五行論がうまくはまります。
スターウォーズのストーリーは、その点、五行論の観点からも理に適っています。
スターウォーズの構造
スターウォーズには、二つの軸があります。
ひとつは、レイアやハン・ソロなどの反乱軍と、ストームトルーパーなどの帝国との、戦争という現実面での対立。
緑あふれる森を拠点とする反乱軍を「木」、デススターという金属の人工物を拠点とする帝国を「金」、いずれでもない銀河系の惑星を「土」と置きます。
もうひとつは、ルークやヨーダなどに代表されるジェダイ=ライトサイドと、ダース・ベイダーやパルパティーンなどに代表されるシス=ダークサイドとの、フォース=精神面での対立。
反乱軍から支えられるジェダイを「火」(木生火)、帝国から支えられるシスを「水」(金生水)と置きます。
すると、帝国が反乱軍を攻撃し(金剋木)
シスがジェダイを抹殺する(水剋火)というように、
スターウォーズの対立の図式が五行論とうまく符合します。
だから、五行論のアナロジーでわかるのは、
「土」がしっかりしないとこの闘いは終わらないということです。
新三部作(エピソード1~3)では、
ジェダイの偽善と傲慢(ルーク談)のためにシスの復活を許し、
本来であればフォースに安定をもたらす存在(=土)としてシスを抑える(土剋水)はずのアナキンが暗黒面に落ちてシス=ダース・ベイダーになるという悲劇が生まれました。
旧三部作(エピソード4~6)では、
アナキンの息子のルークがジェダイ=火となって帝国と闘い、
最後はルークによってライトサイドに帰還したダース・ベイダーが、フォースに安定をもたらす存在(=土)となってシスのパルパティーンを倒し(土剋水)、
帝国もルークたちの活躍によって壊滅(火剋金)します。
そして、続三部作(エピソード7~9)です。
帝国の残党はファースト・オーダーとして再び勢力を強め、
レイアの息子でフォースに安定をもたらす存在として期待されたベン・ソロが暗黒面に落ちて、ルークが育てたジェダイ達を抹殺するという新三部作と同様の悲劇が繰り返されます(水剋火)。
しかし、砂漠の惑星ジャクー(=土)で生まれた、パルパティーンの孫であるレイが、
最後のジェダイのルークの指導を受けてフォースに安定をもたらす存在(=土)となり、
両親の死によってライトサイドに帰還したベン・ソロ(=土)とともに、
(実は旧三部作ではまだ死んでいなかった)パルパティーンを倒し(土剋水)
銀河に平和がもたらされて、フォースをめぐる物語の幕が下りるのです。
このように、スターウォーズと五行論は、よく符合するんですよね。
残念なのは、シスのライトセーバーが赤だったこと。
五行論では、赤はジェダイなんですが・・・。
「そうじゃなくて」とまた知人から突っ込まれるかな・・・もう知らん。