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人生後半の処世術について考えます

算命学で観る、習近平氏の命運-出世の理由と今後

 

命式は良くないが

氏の命式を観る。

 癸 丁 癸

 未 巳 巳

夏生まれの癸なので、涸れないよう水源の辛が必要だが、蔵干に2つあるだけなので弱い。

癸の根もなく、透干する癸が救いになる。

一方で、癸を蒸発させる火、特に癸を七殺する丁が透干して、天禄の強い根が2つある。

これでは、下手すると、癸は蒸発してしまう。もうひとつの忌神の土も日支にある。

これが14億人の頂点に立つ男の命式?!

守護神法的に考えたら、とてもじゃないが、運は味方してくれない。

すごく嫌な月干の丁は(十二親干法では)父親で、中国共産党の創設メンバーだが、その父親と縁を深くすると運勢は落ちる。

しかも、年干の癸=福は、三方が火で蒸発しそうで、自分の生きかたなんてできない。

氏は生日中殺だが、それも関係なさそうで、

命式だけからは、強く偉大な父親のもとで育った、ひ弱で頼りない息子というイメージしかしないのだ・・・。

 

忌神を消化した

手がかりは、氏の経歴にある。

氏は、太子党中国共産党の元高級幹部の子弟)のなかでも紅二代日中戦争中国国民党との内戦で活躍した幹部の子弟)というエリート中のエリートだが、何の苦労もなく出世できたわけではない。

というのは、父親が政敵にはめられて失脚したことから、中学一年だった氏は周囲から虐待されて、(都会の青年たちを農村で労働させる)下放運動で貧しい農村に送られた。

学校教育はそこで中断、岩肌に掘った穴のような住居で20代前半まで農業に従事したが、この過酷な体験を通じて人間性や社会を見る目が養われたという。

その後、名誉を回復した父親が1980年代に要職に復帰してからは、その支援を受けながら出世の階段をのぼっていった。

お分かりになられただろうか?

父親の失脚により大切な青少年期を犠牲にした=運勢を下げたことで、氏は(父親の干である)手強い忌神を消化したのだ。

その結果、父親から恩恵を受けても、あるいは、周りから信用を集めるようになっても、運勢は下がらなくなった。これは強い。

 

納音で叶えた夢

つぎに注目すべきは、政治家への入口である中国共産党へ入党した年だ。

1973年(癸丑)で、年干支と大半会、日干支と納音となるが、これをどう解釈するか?

父親の名誉が回復する前で、中国共産党への入党など許されない話だから、ある意味、夢が叶ったともいえる。

しかも、まともに学校教育を受けていないのに、その翌々年には推薦されて無試験で名門の清華大学に入学している。

ちなみに、大半会と納音という点では、環境が大きく展開する(年干支の大半会)なかで、問題を改めていく(日干支の納音)という氏の政治スタイルも、このときの気の影響を受けているように思う。

 

さて、納音で叶えた夢は終わるはずだが、いまでも続いているのは、なぜか?

氏は、清華大学を卒業して地方の政治家になったのが1983年(癸亥)で、今度は年干支と納音、日干支と大半会になる。

すなわち、周囲を改めていくなかで自分の運は大きく展開するときだと解釈できるが、

氏はこのとき、田舎の村長として幹部らの不正を厳しく摘発、結果、中央政界にも名前が知られて経済特区のアモイの副市長となり、鄧小平が進めた「改革開放」の最前線で仕事をするようになった。

周ってきた運を上手に利用しているのだ。

 

氏の後天運を観る。

 79 69 59 49 39 29 19 9

 己 庚 辛 壬 癸 甲 乙 丙

 酉 戌 亥 子 丑 寅 卯 辰

1992年の39歳の誕生日からは癸丑の大運に入るが、甲癸の境目を超えて、ここから運勢の潮目が変わる。

納音の夢が終わりそうなものだが、また運が味方する。

そう、日干支と納音・準納音の大運が、2012年の59歳の誕生日の前まで続くのだ。

本来の弱弱しい宿命とは正反対の気が周って、この20年で氏はトップの総書記にまで登りつめた。

以上が、氏が異例の出世を遂げた運勢上の理由である。

 

これからどうなる?

では、2012年の59歳の誕生日からの辛亥の大運は、どうだったのか?

水源である守護神の辛が周って、地支は亥だから天将星だ。

すなわち、運勢は最高に良いし、強いリーダーシップを発揮できる。

氏は、この10年で一強体制を築くことに成功した。

 

そして、2022年の69歳の誕生日からの10年間は、どうか?

引続き水源が周る良い運勢だが、地支は天堂星で従運に入っているから、本来であれば、2期10年で国家主席から下りるべきだった。

ただ、2023年(癸卯)は日干支と大半会になるから、運勢と現実が後押ししたのだろう。

以降は悪い気しかしないが、2024年(甲辰)は大運(庚戌)と天殺地冲、すなわち、自分の外で壊し合うような出来事が起こるかもしれない。

2028・2029年の天中殺は、官=名誉が中殺され、ここで失脚してもおかしくはない。

ただ、それを超えたら、2032年(壬子)と2033年(癸丑)は再び日干支と準納音・納音になる。

氏の念願は2035年までに台湾を統一することだが、失脚しなければ、ここでその夢が叶うかもしれない。

しかし、その前に、2032年の79歳の誕生日からは大運天中殺で、再び官=名誉が中殺されるから、夢は叶わないかもしれない。

 

宿命と後天運から読めるのは、ここまでだ。

宿命は良くないのに、周ってくる不思議な運に恵まれ、人体図の星を存分に活かして、慎重に着々と今の地位を築いてきた。

年干の癸がなければ忌神帝王だが、実に不気味な人物である。