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占いのための「陰陽五行」無料講座(第18回)通変/五徳とは

 

天干と地支、どちらで観る?

前回までは、大運の地支に着目して、社会生活の傾向について観てきましたが、

今回からは、個別の運(金運、仕事運など)についても観ていきたいと思います。

後天運で戸惑うのは「(周ってきた干支の)天干と地支、どちらで観るの?」「それとも両方で観るの?」ということで、流派などで見解が違っていたりします。

鑑定の主流はもっぱら天干で観て、地支は冲・合・局・方(算命学では位相法)など補足的に使う印象ですが、なかには「大運は、前半の5年は天干、後半の5年は地支で観る」という流派もあります。

重要なのは、なぜそう観るのかという理屈で、それによってどのような運を観ることができるのかということでしょう。

あとはその説明を聞いて、自分が納得できて、占って現実の事象をより適確に説明できる方法を選択すればよいのだと思います。

占いかたに正解はありません。

プロ野球だって、いろんな投げかた/打ちかたの選手がいます。

基礎がしっかりできていれば、また、より良い結果を出せるのであれば、自分に合ったやりかたでよいのではないでしょうか。

 

私は、つぎのように考えています。

天干と地支は、天干は天の気=精神、地支は地の気=身体/現実で、天干は地支のエネルギーを通じて具現化されるという関係です。

そして、脳が身体を動かすように、意識的な行動内容はおもに天干の気に影響される、

だから、後天運でどのような事象が起こりやすいかは天干で、それがどのくらいの影響があるかは地支で判断する、というのが私の考えかた、やりかたです。

では、天干で後天運をどのように観ていくのか・・・そこで重要になるのが「通変」(つうへん、算命学では「五徳」)という概念です。

 

通変は干と干の関係

通変とは何か・・・下は大谷翔平氏の命式です。

癸   庚 甲

酉  辰 午 戌

右の列から左に、年干支・月干支・日干支が並び、これに影響を与えるのが一番左の列の大運(癸酉)です。

すなわち、自分を表す日干は壬で、そこに周る癸の影響を読むのが大運の鑑定です。

どう読むのかというと、周ってきた「癸」よりも、日干との生剋比で読むんです。

この場合、日干の壬と大運の癸は同じ水で比和なので、「自分と周りが比和すると、どんな事象が起こりやすいか」を考えることになります。

日干と後天運で周る干との生剋比で、次のように読み替えます(通変/五徳)。

日干と比和している状態

比劫/福

日干が生じている状態

食傷/寿

日干が剋している状態

財 /禄

日干が剋されている状態

官殺/官

日干が生じられている状態

印 /印

なぜ日干との生剋比で読むのかというと、出来事とその影響、意味などは、自分と環境との相互作用で決まるからです。

同じ癸が周っても、日干が戊のひとは、土剋水で周りを剋す関係なので、さきほどの比和する関係とは起こる事象の性質が異なるのは当然でしょう。

では、周ってきた通変/五徳で、具体的にどのような出来事が想定されるのか、個別の運の観方も含めて解説したいと思います。

 

通変の解釈

自分と周りの人間関係で解釈してみます。

<比劫/福>

日干と周りとが比和しているというのは、周りが同じ仲間で自分の気がパワーアップしている状態です。

占いでは一般に人間関係の運と解釈します。

<食傷/寿>

日干が周りを生じているというのは、自分の気を伝えている状態です。

どんな気を伝えるかで行動はさまざま(思想や感情を伝える=表現する、力を伝える=助ける/育てる/与える、知識や情報を伝える=教えるなど)ですが、核になるのは「後/下の世代へ伝える」というイメージです。

食傷/寿は、目に見えないものを伝える精神的な活動が中心で、なにかの運というカタチで解釈されることは少ないと思います。※

<財/禄>

日干が周りを剋しているというのは、周りから気を集めている状態です。

どんな気を集めるかで行動はさまざま(ものやお金を集める=儲ける、信用や評価を得る=奉仕する、関心や人気を集める=魅せるなど)ですが、核になるのは「周りを動かす」というイメージです。

占いでは一般にお金の運(ビジネスなど)と解釈します。

<官殺/官>

日干が周りから剋されているというのは、自分の気を動かされている状態です。

どんな気に動かされるかで行動はさまざま(好きなことに動かされる=没頭する/夢中になる、ひと・団体・ルールに動かされる=従う、地位や名誉に動かされる=競うなど)ですが、核になるのは「自分を捧げる」というイメージです。

占いでは一般に仕事の運(栄達など)と解釈します。

<印/印>

日干が周りから生じられているというのは、周りから気を与えられている状態です。

どんな気を与えられるかで行動はさまざま(知識や情報を与えられる=知る/創る、感情を与えられる=感動する、直観を与えられる=悟るなど)ですが、核になるのは「前/上の世代から継ぐ」というイメージです。

印/印も食傷/寿と同じく、目に見えないものを与えられる精神的な活動が中心で、なにかの運というカタチで解釈されることは少ないと思います。※

 

※健康運を食傷/寿で観ることもありますが、それよりも五行のバランスで観るほうが一般的です。また、受験運は、印/印ではなく、官殺/官で観るのが一般的です。