二項対立の問題点
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では、陰陽論の応用として易の話をしましたが、知人から「そうじゃなくて、陰陽論で考えるとこうなる、みたいな話を聞きたい」という感想をもらいました。
そうですね・・・二項対立の考えかたと比べるといいかもしれません。
二項対立では、二つの相反する主張を闘わせます。たとえば、政治の世界では、保守(伝統を重んじる)とリベラル(変化を受け容れる)という二項対立がよくみられますね。
ただ、「悪しき」二項対立に陥ると、
わかりやすいように対立する部分を強調し、
どちらか(敵か味方か)を選択させて、
相手側(敵)を徹底的に排除しようとします(「神と悪魔」「善と悪」など)。
その結果、多様な意思決定が難しく硬直的になってしまいます。
一方、「正しく」陰陽論を用いると、
陰か陽かは固定せずに、テーマごとに代わることを当然のこととして認めるとともに、
対立や排除ではなく、バランス(中庸)を大切にします。
陰と陽、どちらを欠いても、もの/ことは成り立たないからです。
フォースの光と闇
たとえば、映画「スターウォーズ」。
語られていたのは「フォースのバランス」で、光(ライトサイド)が闇(ダークサイド)を倒す、単純な勧善懲悪の物語ではないですよね。
スターウォーズは、陰陽論です。
陰陽のバランスを欠くと、反動が起こる。
秩序=陰で銀河を支配した帝国は、自由=陽をもとめる共和国によって滅ぼされますが、
そもそも帝国の台頭を許したのは、自由放任で退廃した共和国だったわけです。
アナキンがフォースの暗黒面に陥ったのは、
ジェダイ・オーダーがライトサイド/ダークサイドという二項対立に囚われて、バランスを欠いていたからでしょう。
カイロ・レン(ベン)の母親がレイアで、レイの祖父がパルパテイーンというのも、陰陽論っぽい。
最後は(ライトサイドへ帰還した)ベンからフォースを受けて復活した(ダークサイドの血をひく)レイが「フォースに安定をもたらす存在」となって、フォースをめぐる壮大な物語が終わる、
というのが私の解釈です。
陰陽論の応用
横道にそれました。
陰陽論をどう応用するかでしたね。
陰と陽は、一つのもの/ことの二つの相反する気で、主体性のあるほうが陽です。
ポイントは、陰/陽のバランスをとることでした。働くと休む、攻めると守る、動くと考える、話すと聞く、アウトプットとインプットなど、陽に傾いているときは陰に動いてバランスをとる(逆も真なり)。
よく言われることですが、意識していないと偏りがちです。
また、相手との陰陽のバランスをとれないと、人間関係はうまくいきません。
自分の主張を通すべきところと相手に譲るべきところのバランス。
ときには陽、ときには陰と、柔軟に立場や視点などを代えて、共同体を維持すること。
夫婦関係では、特に重要ですよね。
夫が主=陽、妻が従=陰と立場を固定するのではなく、家庭の外と内、あるいは、ときには立場を逆転してみる(育児休暇など)。
これもよく言われることですが。
対立ではなく調和
上記のような陰陽以外にも、自由に陰陽をとらえて、いかにバランスをとるかを考えてみると、新しい発見があるかもしれません。
たとえば、必要だという意見(陽)を通したいのなら、不要だという反対意見(陰)を想定して、対立するポイントを整理する。
そして、「悪しき」二項対立のように論破しようとするのではなくて、「正しく」陰陽論を用いるなら、相手が許容できる落としどころを考えます。
その際に重要なのは、どのように陰陽をとらえるかです。
善と悪、正と不正などのように双方をとらえてしまうと、悪や不正などはなくすべきだから、協調という選択肢はあり得なくなってしまいます。
そうではなくて、陰と陽は「どちらも欠かすことのできない」一つのもの/ことの相反する二つの気という前提のもとに、陰陽をとらえる必要があります。
力や論理で相手をねじ伏せると、禍根をのこします。
対立ではなく調和、あるいは(弁証法のように高い次元での)統一を探るべきでしょう。
以上、私の考える陰陽論でした。