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占いのための「陰陽五行」無料講座(第2回)陰陽論とは

 

二つに分ける

陰陽論とは、「明と暗」「天と地」「出と入」「剛と柔」「昼と夜」「男と女」「精神と肉体」など、

一つの事象を二つの相反する気に分けて論ずる、古代中国の自然哲学の理論です。

ある事象の本質を知ろうとするのに、ただ観察しているだけでは進みません。

まずは、事象を二つに分けて、

それらの性質の違いと関係に観察の焦点を絞ることで、観察は深まります。

現代論理学の「二項対立」と同じですね。

事象

エネルギー

空 間

方 向

人 間

精神

肉体

では、どちらが陽で、どちらが陰なのか、というと、主体性のあるほうを陽とします。

世のなかは一般的に男主体なので、男が陽になります。

精神と肉体では、おもに精神が肉体を動かしますから、精神が陽になります。

ただ、どちらに主体性があるかは相対的で、

事象によって陰陽が逆になります。

たとえば、家事という視点でいえば、女が陽で、男が陰になります。

 

陰陽論のポイント

陰陽論は、単なる方法論ではありません。

その説くところを簡単にまとめると・・・

相反

上表でわかるように、一つの事象について、相反する性質や振舞いをする気があります。

不可分

磁石のN極とS極のように、陽と陰どちらか単独では存在できません。

不定反転

陰から陽に、陽から陰にと、陰と陽のパワー・バランスは振り子のように揺れ動いて止まることはありません。

そして、陰極まれば陽になる(逆も真なり)で、一定の水準を超えると、逆に反転するという性質があります。

上昇と下落の波を繰り返す株式市場のようなイメージです。

■(動的)平衡

陰と陽は暴走しないよう互いに抑制します。

人体のホメオスタシス(体温などの身体の状態を一定に保つ仕組み)のような感じです。

陰陽無限

陰と陽それぞれは、陰と陽を内包し(陽中の陽、陽中の陰、陰中の陽、陰中の陰)、さらに・・・と、陰陽は無限に繰り返される階層構造になっています。

部分のなかに全体と同じ形が再現されるフラクタル構造といってもよいかもしれません。

陰陽の連続性

もう一つ大切な陰陽論の法則があります。

それは、時間的に陰と陽が交互に並ぶと、

もの・ことは長く続くということです。

昼=陽と夜=陰が交互に繰り返されるから支障なく生活できるわけですし、

息を吸う=陰と吐く=陽が交互に繰り返されるから生命は続いていくわけです。

たとえば、家系

陰と陽が交互に並びやすく、また、交互に並ぶ家系ほど長く続きます。

徳川家は十五代続きましたが、初代の家康が陽、二代目の秀忠が陰、三代目の家光が陽、四代目の家綱が陰、五代目の綱吉が陽と、陰陽が交互に並んでいます。

逆に、陽が続いて拡大を続ける家系があったとしたら、

家系がつぶれるようなことが突然起こりやすいともいえます。

一本調子に上がるバブル経済が突然はじけるのと同じです。

 

易は占いへの応用

どうです?

すごく深遠な思想に思えてきませんか?

でもね、理屈はなんとなくわかるけど、占いとどんな関係があるの?!

と思われるかもしれません。

四柱推命・算命学への陰陽論の影響は、この後の回で適宜ふれていくとして、

占いへの陰陽論の応用としてまず挙げられるのは「」でしょう。

易というと、筮竹(ぜいちく)という竹の棒をジャラジャラやって吉凶を占う街角の易者さんをイメージされるかもしれませんが、

易経という古代中国の思想書にもとづく占いなんです。

易経は、陰陽論にもとづき森羅万象の本質をとらえようとするもので、儒教の経典のひとつでもあります。

 

変化をとらえる

易経では、この世を陰と陽に分けて、それぞれを陰と陽に、さらに陰と陽に分けて、

八卦という八つの型を作り、どのような気の状態なのか(象意)を型ごとに定義します。

八卦の象意は、次が参考になります。

https://oggi.jp/6604064

そして、八卦を上下に組合せて、六十四の型で森羅万象の見取り図を作るのです。

六十四卦の象意は、次が参考になります。

https://1percent-better.com/oriental_wisdom/iching/hexagram/64hexagrams/

占い師はというと、筮竹などで卦をだして、(易経に書かれた)その卦の象意を相談内容に則して具体的に解釈しながら、吉凶やアドバイスをするわけです。

西洋のタロットに似ていますが、歴史はずっと古くて、原型ができたのは紀元前八世紀頃といわれています。

心理学者のユングも易に大きな影響を受けています(彼自身、易で占っていました)。

 

この世の変化の法則

今回は、陰陽論のお話でした。

占いの技術ではなく思想の話なので、抽象的に聞こえるかもしれませんが、

上に紹介した解説に興味を持ったら、易の本を図書館で借りて読んでみてください。具体的でおもしろいと思います。

易には「変化する」という意味があって、

易経は、この世の変化の法則を探究した古代中国の学問です。

東洋の占いのベースには易経の世界観があるので、知っていると占いの解釈にも深みがでてくると思います。