気の哲学
四柱推命や算命学という占いは、
世界の成り立ちを統一的に説明する、
古代中国の自然哲学が背景にあって、
その中心にあるのが「気」という概念です。
すなわち、古代中国の自然哲学では、
森羅万象(この世のすべての物質や出来事)の生成・変化・消滅の原因は、
気の性質と運動にある、とします。
日本語にも、「元気」「気合」「天気」「空気」「電気」「景気」「雰囲気」「殺気」「人気」「色気」「短気」「陽気」「気晴らし」「気にする」「気を配る」「気を悪くする」など、気を含む単語が多くあります。
気とは何なのでしょうか?
三つの気
古代中国では、気には三つの形態があると考えられていました。
第一に、エネルギーとしての気。
元気や気合という言葉にもあるように、あるいは、武術の達人が離れて立つひとを倒すように、もの・ことを動かす力になります。
第二に、物質としての気。
ビッグバンで高エネルギー状態から素粒子が生成されたように、気は物質として世界をかたちづくっています。
第三に、情報としての気。
雰囲気や空気を読むという言葉にもあるように、空間や時間、心理などは、ある種の性質を帯びています。
古代中国の自然哲学では、これらが一体となって複雑な世界を構成していると考えます。
気とはなにか、なんとなくイメージできるでしょうか・・・。
気の性質と運動
では、気は、どのように森羅万象を引き起こしているのか?
これを説明するのが陰陽論と五行論です。
ザックリ言うと、
ある事象を、陰陽論は二つ、五行論は五つの気に分けて、それらの性質と相互作用に着目して分析するもので、この二つを統合したのが「陰陽五行論」です。
詳しくは、次回以降で説明します。
そんな乱暴な分析で何がわかる?!
と思うかもしれませんが、
複雑な事象の本質をつかむには、単純なモデルで考える必要があります。
究極はとても単純
それに、複雑な事象も分解すると単純だったりします。
たとえば、人間の体内に必要なたんぱく質は約10万種類にもなりますが、
これらはたった20種類のアミノ酸がいろんな配列で連結することで作りだされています。
また、すべての物質は、細かく分けると、
まず「分子」が確認できますが、
その分子を構成するのは「原子」で、陽子と中性子が結びついた原子核と電子から成り立っていますが、原子はさらに分解できて、
物質の最小単位となるのが「素粒子」です。
素粒子は、全部で17種類(物質をかたちづくる12の粒子、粒子間で力を伝える4の粒子、質量を与えるヒッグス粒子)あって、
その間に4つの力(重力、電磁気力、強い力、弱い力)が働いて、物質ができています。
あらゆる物質の究極にある、17種類の素粒子とそれらの間で働く4つの力。
とても単純でしょ?
今回は理屈っぽい話になりましたが、
ここだけ押さえていれば大丈夫です。
次回は、陰陽論のお話をします。