なぜ、占うのか
陰陽五行論に入る前に、占いについてもう少しお話させてください。
そもそも、ひとはなぜ占うのでしょうか?
わからないことを知りたいからですよね。
- この先、どうなるのか?
- どうすれば、望む結果が得られるのか?
- あのひとは、本当はどんなひとなのか?
など、わからないことだらけです。
もちろん、多くの謎は、科学によって解明されています。
だから、科学で解明されていることを占うのは、ナンセンスです。体調が悪い時は、なぜかを占う前に、病院に行くべきです。
しかし、科学は機械的な自然の仕組みは解明できても、機械的ではない人間や社会のふるまいは同じようには解明できないでしょう。複雑すぎて、再現できないですから。
一方、占いは、科学とは違うアプローチで、人間や社会の本質に迫ります。
だから、「占いは科学ではない」というのはその通りですが、「科学ではないから、あてにならない」というのは誤りです。
科学は万能ですか?万能なら、なぜ、科学は人間をしあわせにできないのですか?
なぜ、占えるのか
では、占いはどうして、わからないことを知ることができるのでしょう?
卜術でいえば、
古代は(たとえば、焼いた亀の甲羅の割れ目で)神の意志がわかるからという答えになるのかもしれませんし、
現代ではユングの「シンクロニシティ」(意味のある偶然の一致)という概念で説明するのかもしれません。
命術はどうかというと、
西洋の占いである占星術であれば、次のような理屈でしょう。
- 天体の運行が人間や社会にどんな影響を与えるかは、天体の位置関係でわかる。
- 天体の位置関係は予測できるから、人間や社会が将来どうなるかもあらかじめ知ることができる。
一方、東洋の占いである四柱推命や算命学では、「気」というもので説明します。
- 森羅万象(この世のすべての物質や出来事)の生成・変化・消滅の原因は、気の性質と運動にある。
- 気の運動には法則性があるから、人間や社会が将来どうなるかもあらかじめ知ることができる。
西洋占星術 |
天体の位置関係を観る |
東洋の命術 |
気の性質と運動を観る |
では、気とはなにか?
次回はその話から、占いのための「陰陽五行論」入門をはじめたいと思います。