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人生後半の処世術について考えます

人生と宿命-フランクルに学ぶ②

ホロコーストナチスドイツによるユダヤ人の大量虐殺です。ユダヤ人というだけで、すべての資産は没収され、強制収容所に送られて殺されました。自分には何の落ち度もないのに、ただ死を待つしかない・・・そんな理不尽な状況に追い込められたら、ユダヤ人に生まれた自分の宿命を呪って絶望するほかないように思います。

しかし、そのなかで希望を捨てずに、周りのひとを絶望から救って生還したユダヤ人の精神科医がいました。ヴィクトール・フランクルです。そのときの経験は「夜と霧」という本にまとめられて、ベストセラーになりました。ご存知のかたもいらっしゃるでしょう。

なぜ、フランクルは、過酷な宿命に対して幸福な感情を失わずに生きることができたのでしょうか?その答えは、彼の思想にあります。

 

フランクルは、アドラーフロイトのもとで学んだ、オーストリアの精神療法家です。彼の主張で特にユニークなのは「意味への意志」という思想です。

すなわち、「人間には、自分の人生をできる限り意味あるものにしたいと願う、根源的な欲求がある」「人間は、自分の人生に意味があると感じられるならば、どんな状況に置かれようとも幸福でいられるのだ」と彼は言います。

自分は、何のために生きているのだろう・・・人生の意味を考えたことのあるひとは多いと思います。でも、答えがわからずに、抑え込んで日々を生活している。

しかし、ある日突然、抑え込んでいた意味への意志という根源的な欲求が表に出ています・・・人生の転機に。