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人生後半の処世術について考えます

人生と宿命-フランクルに学ぶ⑥

財産や名誉などを得て成功することだけが人生の目的ではありません。成功していても「何のために生きているのか」と虚しさを感じるひとも多くいます。

それよりも、人間には「人生を意味あるものにしたい」という根源的な欲求があるのだから、自分の人生の意味を見出すことが重要だとフランクルは主張します。そして、それは往々にして、逆境で苦悩するなかで見出されます。だから彼はいいます、苦悩は人間の業績なのだと。

彼の思想は「逆境の心理学」といわれます。「苦悩は人間の業績だ」という彼の言葉は、具体的な解決策ではありませんが、苦悩するひとにとって大きな力を与えてくれます。

 

以前の記事「改めて「幸福」とは」で、幸福のPERMAモデルを紹介しましたが、そのなかの人生の意味(Meaning)は、フランクルの「人生の意味」と同じです。

また、フランクルは「彼が自分の課題に夢中になればなるほど、彼が自分の相手に献身すればするほど、それだけ彼は人間であり、それだけ彼は彼自身になるのです」とも言っていますが、これはPERMAモデルの没頭できる活動(Engagement)と重なります。

ポジティブ心理学は、フランクルの心理学の影響を少なからず受けているのでしょう。