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人生後半の処世術について考えます

人生と宿命-フランクルに学ぶ⑤

幸福なひとは、多くの場合、働くことに人生の意味を見出しています。仕事や家事などを通じて誰かの役に立つことを「創造価値」といいます。働くことに我を忘れて没頭することで、ひとは幸福を感じます。

働くこと以外にも人生の意味を見出しているひとはいます。それは、自然や芸術、愛などを通じて感動を体験することです。「生きていてよかった」「生きていることは素晴らしい」という体験を通じて、ひとは幸福を感じます。これを「体験価値」といいます。

そして、働くことに没頭できなくても、感動を体験できなくても、すなわち、逆境のなかでも、ひとはどのような態度をとるかによって幸福を感じることができる、とフランクルは主張します。強制収容所という厳しい状況で、生きることに執着して利己的な行動をとるひとも多いなか、優しい言葉をかけたり、自分のパンを分け与えたりするひとがいます。彼はその目撃者であり、そのうちの一人でした。

どのような状況に置かれても、どのような態度をとるのかは自分次第で、それによって周りの人びとに良い影響を与えることができる。これを「態度価値」といいます。

できないことではなく、できることに焦点を当てることによって、ひとは人生に意味を見出して、幸福を感じることができるのです。