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人生後半の処世術について考えます

詐欺師の人生⑤

同時に、彼は運を使い果たしてしまいました。そうなると、あとは、反動で一気に落ちるだけです。これが初動納音で大きく運勢を動かしたひとの帰結です。

あるいは、別の解釈もできます。彼の宿命は、干合と半会が成立すれば、従財格一点破格にはなります。もし従財格が動いていたとしたら、あれだけのお金を集められたとしても不思議ではありません。干合で虚気を放ち、それに魅かれて仲間が集まり彼を祭り上げて(破の守護神=戊は仲間)一気に運勢が動いたのかもしれません。そして、悪徳商法が暴かれ、実気に戻って干合しなくなった瞬間、従財格が崩れて一気に運勢が落ちた。

ただ、先述のとおり、彼の場合は干合が成立しにくいですし、お金を集めた3旬は破の守護神=戊が冲動で打たれていたので、おそらく動いていないでしょう。初動納音の影響だと思います。

 

豊田商事が社会問題化した1985年は辛亥の大運に入っていますが、辛=寿は生命という象意があります。その生命が天殺地冲となる10年間なので、反動があのようなかたちで現れたのかもしれません。

彼は「会社があんなに大きくなるとは思っていなかった・・・これだけの規模にしたのは、部下がやったこと・・・でも、これだけ大きくなったら、もうお仕舞いだ」と言っていたそうです。(※)

彼には、自分の悲惨な行く末が見えていたのかもしれません。

※「週刊現代」2016年6月18日号