THIS IS YOUR LIFE!

人生後半の処世術について考えます

占いと実学

NHKのフランケンシュタインの誘惑(科学史/闇の事件簿)という番組で、1930年代に人体蘇生(死んだ者を生き返らせる)を試みて注目された生物学者R.コーニッシュ(1923/12/21-1963/3/6)の功罪が論じられていました。

https://tvmatome.net/archives/11480

人体蘇生というと気違いじみたような感じがしますが、医学の世界では「一日でも長く生を延ばして死を免れる」試みは当たり前に行われていて、その先にあるのが蘇生だと考えれば、何も不思議なことではありません。事実、アメリカのバイオテクノロジー企業が脳死した患者を蘇らせる治療法を2016年に発表して話題になりました。

しかし、社会は、彼を「マッド・サイエンティスト」と呼びました。(救急救命医療の現場で心肺蘇生法として確立している)人工呼吸に心臓マッサージを組み合わせる方法などは、彼が人体蘇生を試みるなかで初めて用いたものでしたが、彼の研究が語られることはまったくありません。

それはなぜか、というのが番組のテーマでしたが、そのなかで、次の専門家の発言が頭に残りました。

- いろんな実験データを組合せて分かったことを整理しながら合理的な筋道を作りあげていくのが「」で、「」というのは結果がよければすべてよし。その点、医学は実学=応用科学だから、まずはいろいろやってみて、うまくいくものを探し出してから、なぜそれがうまくいくのかを調べる。-

 

なるほど、その意味では、占いは「術」であって「学」ではない。結果オーライの世界。しかし、なぜそうなるのかを古代中国人が探求して見出したのが、気の思想であり陰陽五行論。近代科学とは異質な思想ではあるが、探求することで新たな発見があるかもしれない。

番組の内容とは逸れてしまいましたが、ふとそう思った次第です。