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人生後半の処世術について考えます

宿命と時間④

では、渡邉恒雄氏を例に、ごくごく簡単な守護神法の観方を紹介します。

氏の大運は、3~22歳は木、23~42歳は火、43~62歳は土、63~82歳は金、83~102歳は水が周りますが、守護神は癸と丙なので同じ五行の水と火が周る大運が運勢のよい時期、忌神の土が周る大運が運勢の悪い時期となります。

同じ五行の大運は20年続くので、働き盛りのときに守護神が周るのか、忌神が周るのかで、人生行路は大きく違ってくるでしょう。

 

氏の場合、守護神が周る23~42歳は、読売新聞に入社後、社長の正力松太郎氏や大物政治家の大野伴睦氏に気に入られて政治記者を超えた活躍をしていた頃で、実力以上に運にも恵まれていた時代でした。

しかし、忌神が周る次の大運(43~62歳)になると、氏の活躍を快く思わない勢力により左遷させられて、一度は会社を辞める決意をします。ところがその後、社内の力関係が逆転、49歳で政治部長に昇進してからは、53歳で取締役論説委員長、61歳で筆頭副社長へと出世していきました。

忌神が周るときは運勢が下がるはずなのに、出世しているのは矛盾しているように思いますが、なぜでしょうか?それは、氏がよい宿命に甘えずに努力を怠らなかったからでしょう。

氏の忌神=土は、日干=自分と同じ五行なので、守備本能です。つまり、「社長になる」という自分の生き方を貫こうとするときには、運が味方してくれない、だから、苦労して自分の仲間を増やしていかないといけない、氏はそれを入社してからずっとやり続けてきました。

その結果、それまでに忌神の力に耐えて実力をつけてきたので、忌神が周ってきても、氏のよい宿命への影響は小さくなっていた、ということでしょう。