次に、陰陽論とは別に、古代中国では「あらゆるもの・ことは五つの気に分けられて互いに影響しあっている」という思想もありました(五行論)。
夜空を見上げると、星が輝くなかで、他とは違う動きをする(肉眼で見える)星が五つあります(木星・火星・土星・金星・水星)。
また、身近な世界を見渡しても、指は五本で、色は赤・青・黄の三原色に白・黒の五色ですべて表現できます。位置も自分のいる中央を基準に東・西・南・北で示すことができます。
そして、当時の生活に不可欠だった「木」「火」「土」「金」「水」を五つの気の象徴として、そのイメージをもとに、異なるカテゴリーのもの・ことを五つにグルーピングしていきました。樹々が青々(色)と育つのは春(季節)で、春は東(位置)から風が吹く、といった感じです。
では、なぜ、三つや四つではなく「五つ」なのでしょう?
それは、論証すべきものではなく、公理のようなものです。五つに分けて考えたほうがうまく現象を説明できる、その妥当性を示すのが占いだ、というわけです。季節も、春・夏・秋・冬に土用(立夏・立秋・立冬・立春の前の十八日間)を加えた五つで考えます。