THIS IS YOUR LIFE!

人生後半の処世術について考えます

市川猿之助氏の一家心中未遂事件(算命学)⑥

しかし、天中殺で始めたことは、原則、志半ばで終わります。

その結果、先代はパーキンソン症候群を発症、2004年(甲申)の天中殺の年以後は舞台に立てなくなってしまいます。その後、先代の仕事は氏に継承されるのですが、つぎに周った天中殺(氏も申・酉が天中殺)の2017年(丁酉)、「ワンピース」の公演中に氏は左腕骨折の重傷を負ってしまいます。そして、今回の事件が起こりました。

仕事と天中殺というと、デビューや入社の時期のみを気にすることが多いのですが、長く続ける事業についても、天中殺の影響は気にしておいたほうがよいと思います。

 

もうひとつ、家系の影響についても観ました。

猿之助一門(屋号は「澤瀉屋」)は、九代目市川団十郎から破門された初代が、十数年もの間独りで芸を磨き続けたことで許されて、明治23年に「市川猿之助」を名乗ったのが始まりで、伝統を重んじる歌舞伎界にあっては新しい家柄です。

そのため、ハンディキャップを埋めるべく、保守に対して革新を掲げて挑戦を続けます。二代目は欧米に留学して最新の舞台芸術を歌舞伎に採入れ、先代の三代目はスーパー歌舞伎で一世を風靡しました。

しかし、それだけに何かあると周りから叩かれやすい。先代が宙乗りを始めた当初、歌舞伎界のご意見番からはサーカスだと揶揄されました。また、香川照之氏と一緒に歌舞伎界に入った長男の市川團子氏に対しては、「血統が有ってもちゃんと鍛えられなければ只の駄馬」と関係者から陰口をたたかれたこともありました。

今回の事件の背景には、このような氏が背負っている歌舞伎界での一門の立ち位置もあったように思います。