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人生後半の処世術について考えます

改めて「幸福」とは④

占いでは、幸福をどのように捉えているのか?

幸福には「めぐりあわせのよいこと」という幸運に似た意味合いもありますが、占いでは「幸運とは何か」は考えずに、開運することで本人が望む状態にしようと考えるのが一般的でしょう。また、開運する術を持たない占いも多くあります。現在の状況やそうなった理由、今後の展望などを本人が知ることで、ひとまず安心できるからなのかもしれません。

では、命術(東洋の占い)では、幸福をどのように捉えているのか?実は、これまでに紹介した哲学や心理学の見解と通じるところがあります。

命術という占いのベースには「陰陽五行論」という思想がありますが、なかでも算命学は、幸福も五つの要素=五徳(福・寿・禄・官・印)から成り立っていて、それを得るためにひとには五つの基本的な欲求=五本能(守備・伝達・魅力・攻撃・習得)が備わっているとします。それぞれの内容は講座で解説しますが、面白いことにポジティブ心理学のPERMAモデルと重なる部分が多い。

さらに算命学がユニークなのは、得るべき五徳の割合はひとによって異なっていて、それは宿命から読みとれるとすることです。たとえば、五徳のうち、禄はお金、官は名誉で物質的な満足につながる価値であるのに対して、寿は感性、印は理性で精神的な満足につながる価値なので、禄・官が少なくて寿・印が多いひとは、物質的な悦びよりも精神的な悦びを潜在的にもとめるひとだから、そのような生き方をするほうが幸福に近づける、と考えます。

命術というのは、しっかりした理論的な背景があるだけでなく、「学」ではなく「術」なので、実践的な知恵でもあるのです。