女優の山本陽子氏が81歳で逝去された。
関係者によると「亡くなる数時間前まで一緒におり、いつもと変わらぬ様子」だったとのことで、死因は急性心不全だという。4月には舞台への出演も予定されていたというから、生涯現役でいわゆる「ピンピンコロリ」の大往生である。
氏は生涯独身で、私なぞは、不倫関係だった田宮二郎、その10年後に熱愛と報じられた21歳年下の沖田浩之氏、いずれも後に自殺していることがすぐに思い浮かぶのだが、氏と二人の自殺との間に因果関係はないようだ。
氏は高校卒業後に野村證券に就職するが、同僚が無断で日活のオーディションに応募して合格、デビューしたという異色の経歴の持ち主だ。
当時は日活の全盛期、キラ星のごとく女優が居並ぶなかで出番がなく悔しい思いをしたようだが、なぜ成功できたのかと思って氏の宿命を観ると…お気づきだろうか?
山本陽子氏(1942/3/17生)
己 癸 壬 司禄星 天禄星
巳 卯 午 調舒星 車騎星 貫索星
天将星 禄存星 天胡星
74 64 54 44 34 24 14 4
乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬
未 申 酉 戌 亥 子 丑 寅
主星が車騎星で、鳳閣星または調舒星があって、月支が合法や散法を受けず、生月中殺でもないので、偏官格になる。
偏官格は、名誉運がとても強く、存在感があって従わなくてはいけないような雰囲気を持つ、といわれる。しかも、天将星があって「殺(車騎星のこと)は軍人、天将星は刀なり」と言われる大将軍の器である。
2/2放送の「徹子の部屋」で一緒に出演した高橋英樹氏が氏を「男っぽい人」と評していたそうだが、この格のとおりだ。着物がとても似合う和風美人だが、私生活はジーンズで過ごし、大の車好きで日本人女性で初めてポルシェに乗ったのだそうだから、偏官格が活きていたのだろう。だから、運勢が彼女の活躍を後押ししたのだと思う。
ちなみに、以下で採りあげたテイラー・スウィフトは、月支が害で車騎星に少し傷がつくから偏官格ではないが、とても近い。
ところで、偏官格というと、不吉な運勢の持ち主のように言われることもある。車騎星は日干を七殺する干から出る星で、偏官格はそれが輝いているからだからだろうが、そんなことはない。
鳳閣星/調舒星が火剋金で抑えてくれていたら出処進退をわきまえた行動ができるようになる。氏も単に男っぽいだけではなくて心配りがよくできるひとだったのだろう。
偏官格は、後天運で鳳閣星/調舒星が干合されると、極端に運が悪くなるといわれる。車騎星を抑えるものがなくなるからだ。
あるいは、後天運で車騎星/牽牛星が周ると運が崩れてしまい、身弱の場合は特に良くない。さらに天中殺だと、救いようの無い運気となると言われる。
だから、この格のひとは格を崩す(破格する)必要があると主張するひともいる。
しかし、それも言い過ぎのように思う。
なぜなら、格だけで人生が決まるわけではないし、現に当てはまらない例も多い。
氏の場合、確かに車騎星の大運で牽牛星の年に亡くなったが、年齢も年齢だけに、例としては説得力に欠ける。
アクセル全開で車騎星を動かしていたようなひとだから、さすがにこれ以上は…ということかもしれない。その意味では、命を燃やし尽くしたひとなのだろう。
氏の冥福を祈りたい。