THIS IS YOUR LIFE!

人生後半の処世術について考えます

人生と宿命-フランクルに学ぶ④

人生観のコペルニクス的転換-自分ではなく、人生を中心にして、何ができるかを問うこと。

だから、フランクルは言います。「なにをして暮らしているか、どんな職業についているかは、結局どうでもよいことで、むしろ重要なことは、自分の持ち場、自分の活動範囲においてどれほど最善を尽くしているかだけだ」と。

 

これを読んで浮かぶのは、「プロフェッショナル-仕事の流儀」というテレビ番組でやっていた岳裕介さんの話です。(※)

民間のゴミ処理会社に勤務する、妻と二人の子を持つ34歳のゴミ収集員で、日本一ゴミの多い街=横浜のゴミ捨て場を一日200軒、深夜二時に起きて回収するのが彼の仕事。時間内にそれだけのゴミを回収するだけでも大変なのに、カラスが食い散らかした生ゴミを拾って回ったり、部下から携帯電話にかかってくる質問や相談に答えたり、さらには、時間外でゴミの分別について住民を説得して回ったり・・・たとえ混入していたのが皿1枚でも、その破片で収集員のケガにつながりかねないからです。

ときに学生やサラリーマンに蔑みの言葉を投げつけられても、表情を変えずに淡々と仕事を続けます。彼は、かつて手のつけようのない悪ガキで警察の厄介になることもたびたび、「ゴミクズみたいな人生だった」と振り返ります。

ゴミ収集会社を就職したのは「生活していかなきゃいけないから」だったそうですが、その仕事を10年以上続けて、いまでは街になくてはならない存在になっています。ただそういう人間になるように「ゴミが教えてくれたんですよ」という彼の言葉がすごく胸に響きました。

 

※番組の内容は、以下のサイトから抜粋。

https://www.akasaka-cycle.com/2021/06/12213/