子供をつくる
彼女の適応障害を改善させるもうひとつのカギは、月干の庚を消化することだ。なぜか?
彼女の適応障害は、調舒星の使いかただけではなく、調舒星が出る月干の庚の未消化にも問題がある。
というのは、前回お話したように、適応障害になったのは庚/辛が周る2020~2021年だし、庚は月干=性愛の場所だから、庚が未消化で不安定だと(今回の浮気?のように)性愛に問題が起こりやすい。
だから、庚の消化が進めば、調舒星の問題は減って、適応障害の回避にもなるはずだ。
では、庚を消化するのに良い方法はないか?
彼女の場合、庚は子供の干だ。
しかも、庚がある月干は子供の場所でもあり、庚から出る調舒星は育児に活かしやすい星だ。
加えて、人体図の年柱・月柱・日柱のすべてに(陰陽違いの)辛があるから、彼女にとって子供はとても縁が深い。
だから、子供をつくることは、庚の消化にとても役立つ。
ここでも、夫の役割が重要で、彼女と一緒に子育てをする人物でないといけない。
その結果、調舒星は帰星の(家庭の星である)司禄星へと流れて、彼女は充足感を得ることができる。
なお、彼女には天印星が2つある。
これをもって「子に恵まれにくい」と解釈されることが多いが、はて、その根拠は?
まさか「赤ん坊の星だから受胎能力がない」とか、そんなアホなこと言わないよね?!
ほかにも天極星が2つあると「病気が治りにくい」とか(死人の星だから?!)、十二大従星の解釈にはナンセンスなものもある。
当たることもあるが、当たらないことのほうが多いというのが私の印象だ。
それが信じられているのは、占い師たちの頭の中には、典型的な例だけが強調されて記憶に残っていて、逆に当たらなかった例は素通りして残っていないためだろう(心理学では「確証バイアス」と言う)。
十二大従星の解釈は、陰陽五行とは別の理屈だから、何をもってそのような解釈になるのか(たとえば、天印星の解釈が赤ん坊の態様から類推されるのはなぜか)、理解に困ることも多いが、それはまた機会にお話したい。
天中殺は怖れなくていい
彼女の後天運を観る。
78 68 58 48 38 28 18 8
壬 癸 甲 乙 丙 丁 戊 己
寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉
彼女は現在41歳で、午と未が天中殺だから、あと7年は大運天中殺だ。
ここで気になるのは、彼女が結婚や出産が大運天中殺になるだろうということ。
天中殺で始めたことは、全うできないか、不自然なありかたになるのが原則だが、具体的に(自分にとって良いのか悪いのかも含めて)どのような影響がどの程度あるのかは、わからない。
だから、いたずらに天中殺を怖れて現実の必要を諦めるのはもったいないと私は思う。
禍を受けても甘んじて受け入れる覚悟があれば、天中殺でも進むべきだろう。
それに、天中殺でなくても人生一寸先は闇なんだし、天中殺のみをことさら気にしても意味がないように思う。
もちろん、避けられるのであれば天中殺は避けたほうがよいと思うが、避けられないのであれば現実の必要を優先して、対策を考えればよい。
彼女の場合は印の中殺で、人物でいえば母親の中殺だ。
だから、ここで結婚や出産をすると、自分の家庭に対して母親の助けがうまく得られなかったりするかもしれない。
あるいは、子供に頼れないというか、自分の老後の世話を看てくれないとか、自分の跡を継いでくれないとか、そういうことになるかもしれない。
そうであっても、自分たち夫婦は母親にも子供にも頼らないという覚悟があれば、問題はない。
それに、そもそも、先に述べたような夫との関係であれば、算命学の観点からは十分に不自然だから、それだけでも天中殺は消化と言えるのではないかと思う。
重要な選択の年
さて、天中殺以外に目を向けると、現在の大運は守護神が周っていて、印で助けが得られるから、本来なら良い運気の時期である。
それなのに、適応障害や結婚直前の破局などの問題が起こるのは、これまで述べたような星の使いかたに問題があったり干が未消化だったりするからだ。
しかし、逆に、守護神が周っているということは、星の使いかたを改めたり干の消化を進めたりするチャンスということだ。
特に2024年は、年運で甲が周るので、大運の丙と合わせて第一・第二守護神が周る、最高に運気の良い年だ。
しかも、甲は宿命にはない本来の夫の干なので、結婚相手を探すには絶好の時期だ。
これを利用しない手はない。
逆に、利用できずに適応障害を抱えたまま引きこもっていたら、危ない。
というのは、2024年の甲辰は月干支の庚戌と天殺地冲にもなるからで、庚は寿、すなわち、健康だから、そこを打たれて適応障害が悪化してさらに大きな問題が起こる、とも解釈できるからだ。
2024年をどう過ごすかは彼女の選択次第で、ここが大きな人生の分かれ目になると思う。