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人生後半の処世術について考えます

改めて「幸福」とは①

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

新年のはじめは、改めて「幸福」とは何かについて考えたいと思います。というのは、先日お話したシンプルな命術(東洋の占い)の講座では、幸福についてもふれてみたいからです。

 

さて、幸福とは何か?いろんな答えがありそうで、なかなか難しい質問です。

ひとは何かの目的をもって行動するとき、その目的はさらに上位の目的につながっています。たとえば、締切りに間に合うように懸命に働いているのは責任を果たすためで、責任を果たすのはいまの職場でうまくやっていくためで、いまの職場でうまくやっていくのは家族を養うためで、家族を養うのは・・・このように「何のために」を問い続けていくと、それ以上は答えがないところに行き着きます。アリストテレスは、それを幸福(最高善)だとしました。人生の究極の目的は幸福だというわけです。

辞書には、幸福とは「恵まれた状態にあって満足に楽しく感じること」とあります。そうなると

恵まれたとは具体的にどんな状態か、どうすれば満足に楽しく感じるのかは、ひとそれぞれだから、結局、幸福の具体的な内容はいろいろで、これ以上考えてもしょうがないということにもなりそうです。

 

しかし、そのような幸福は大抵長くは続かないので、ずっと続く幸福とは何かを探すことになります。その結果、ヘレニズム時代の哲学者たち(ストア派)は、理性で欲望を制御してどんなことがあっても動じずに心の平安を保っている状態を幸福としました。

なるほど、幸福が心の状態だとするなら、幸福で居続けるには、執着心を捨てて外の刺激に一喜一憂しなければいいということになります。となると、外とのかかわりをできる限り断ったほうが惑わされずに安全ということになりますが、それではつまらないというか、人生に対してあまりにも消極的な態度のように思います。