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人生後半の処世術について考えます

新庄監督の来季⑤

何より氏の足を引っ張ったのは、ケガでした。Wikipediaの情報ですが、氏は小学校時代に8回も交通事故に遭い、中学校時代には野球ができなくなっていたような大ケガもしています。阪神入団後も一年目(二軍)は腰痛でヒットはわずか2本、1992年(一軍)には大活躍して注目されるも、1995年からはケガに悩まされて、2000年に復調するまで打撃成績は低迷します。

度重なるケガがなければ、氏ほどの実力があれば、打撃でももっと活躍できていたでしょう。事実、メジャーリーグでは4番だった時期もありますし、ケガに悩まされなかった2004年(日本ハム)には3割近い打率を残しています。

お金でも不運なことがありました。現役中にお金の管理を任せていた叔父が、氏の知らないうちに使い込んでいて、引退して気づいたときにはほとんど残っていなかったそうです。その額、数十億円以上。稼いだお金でこれからの生活を楽しみたいと思っていたときに、これはかなりキツい。でも、氏は「また稼げばいい」と気持ちを切り替えたというのですから、たいしたものです。

氏はチャラいラッキー・ボーイのようなイメージがありますが、見えないところでは大変な苦労をしてきたわけです。10年以上のブランクを経て野球界に戻ってきたのも、難病で苦しむ姉を励ますためだったといいます。

 

氏は、自分の生き方を貫こうとするほど(福)、周りを助けて(寿)人気やお金を得ようとするほど(禄)、足を引っ張られる宿命ですが、「新庄劇場」の裏で度重なる不運を乗り越えてきたことが、強い忌神の消化につながり、氏の運勢を強くしています。

他方、氏の弱点は、感覚や直観に頼りすぎて、知識や技術の習得(印)が足りていないところでしょう。氏が選手として成功できたのは、基礎を厳しく仕込んでくれた父の存在が大きかったと思います。しっかりした基礎があったから、感覚や直観で何とかなった。

同様に、監督として成功するには、先達から学んで経験を積むことが必要不可欠です。特に、運が味方してくれない悪い宿命の人には、守護神=印を活かすこともとても重要です。

その点、氏が監督として優勝するのに、運が味方する状況にはまだないと思います。