彼は、こんな詩を書いています。
あなたの心に従ってゆきなさい。そうすれば最後にはきっとうまくいく。
Boy, go and follow your heart. And you’ll be fine at the end of the line.
やらなきゃいけないことをやるんだ。そうすればうまくいくさ。
You do what you must do and you do it well.
彼の生き方から学ぶこと。それは自分の心の声にしたがって、勇気をもって進んでいくことの大切さだと思います。
彼の人生には、重要な選択を迫られた局面がいくつもありました。彼は、奨学金を得て入った大学をわずか半年でやめて歌手を目指したわけですが、普通に卒業して就職していたら、おそらく成功はしなかったでしょう。カネや出世をもとめていくような宿命ではないからです。その点、二枚目のアルバムの大ヒットで時代の代弁者のように祭り上げられようとしたとき、そこから距離を置いたのは正解でした。
また、幾度スランプに陥っても彼は創作を続けましたが、それがさらなる飛躍につながりました。彼は、学び創っていくことでますます実力を発揮できる宿命だからです。その点、商業主義から距離を置いてきたことも正解でした。カネは、彼の知恵を濁らせてしまうからです。
当たり前のことですが、自分に合ったあり方で、自分が本当にしたいことをして生きていくのが、幸せな人生なのでしょう。不幸なのは、それを知らずに、無理してやるべきではないことをして時間を過ごしてしまうことです。命術(東洋の占い)は、そんな人生を変えるきっかけになるかもしれません。
最期に、ノーベル文学賞後のメディアのインタビューで、今後の活動について語った彼の言葉を紹介します。
「やりたいことはたくさんある・・・でも自分の居るべきところはわきまえておかなければならない。自分の才能を超えたところに存在するものがあるかも知れないからね。やる価値のあるものというのは時間がかかるものだ。100の悪い曲を書いてやっと1つの良い曲が書ける・・・好もうと好まざろうと、その過程は自分独りで進むもの。自分だけの運命の星を追いかけなければならないのさ」